将来性もあり安心して持てる株主優待銘柄7選

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株主優待が人気ですが、ファンダメンタル分析をせずに銘柄を決めても、業績悪化により優待廃止や上場廃止になっては元も子もありません。そこで、株主優待を楽しみながら、長期保有できる銘柄8選を紹介します。

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、日本最大の預金金融機関として、貯金残高192兆円を誇り、全国の郵便局ネットワークを活用し、1.2億口座という広範な顧客基盤を持っています。

そんなゆうちょ銀行ですが、株式の60%超をバックに日本郵政に保有されている。日本郵政は33%の株式を日本政府が保有している関係で、貸出ビジネスが制限されています。そのため、ゆうちょ銀行の稼ぎ頭は資産運用。



安定的な個人貯金を原資に、226兆円という巨額の資金を運用する、世界有数の機関投資家です。全体の収益の80%は資産運用から得ています。高水準の財務健全性を維持しつつ、運用資産の約34%を外国証券等に投資する等、国際分散投資を推進し、運用の高度化・多様化を進めています。低金利で集まった貯金を国内外で運用して利鞘を稼ぐ世界最大級の機関投資家。それがゆうちょ銀行です。

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当期純利益はばらつきこそあるものの、安定的に利益を積み重ねています。配当利回りも約3.54%と魅力的で、安定した配当を期待する投資家にとって有望な銘柄といえます。

さて、そんなゆうちょ銀行の株主優待は、オリジナルカタログ。(3,000円相当のコース)から一点選ぶ形式です。500株以上保有という条件はあるものの、配当も考えるとゆうちょ銀行に貯金するよりは、ゆうちょ株を保有するという選択肢もあるのではないでしょうか。

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ヒューリック

キャッチコピーは、駅と未来に近いビル。物件の90%が首都圏で東京の駅近を占め、優良立地にオフィスビルや賃貸マンションを多く保有。安定した賃料収入が得られており、優れた収益基盤を築いています。財務上の問題もありません。

ヒューリックは営業利益、経常利益ともに、 上場以来最高益を更新し続けており、 2023年12月期は、連結経常利益1,374億 円となりました。東京23区内でヒューリックが保有するビ ルの空室率は、ここ数年1% 以下で推移し、東京23区の市場平均と比 べてはるかに低いため、収益は非常 に安定しています。

また高齢化社会にも対応するため、高齢者施設を積極的に開発・取得を行ってきました。 現在首都圏を中心に4,000室超を保有し、優 良オペレーターに長期賃貸しています。安心して長期保有でき、さらに株主優待もいただける不動産セクター一押しの銘柄。

さて、株主優待は、カタログギフト。300株を2年以上という縛りはありますが、で3,000円相当のグルメカタログギフトがもらえます。カタログの中身は、料亭のギフトセットや海産物、精肉、和洋菓子、フ ルーツなどの中から、お好きな商品を1点選ぶことができます。 権利確定日は、12月31日、カタログギフトの発送は2月下旬~3月上旬頃ということです。

https://www.hulic.co.jp/ir/hulictown/pdf/hulic_quick_book.pdf

JR東日本

JR東日本は、日本最大の鉄道事業者であり、首都圏を中心に広範な鉄道ネットワークを有し、新幹線を含む広範な路線網を持ち、圧倒的な利用者数を誇ります。世界最大級の超巨大インフラを運営するJR東日本は年間の輸送人員が約48億人の数字を誇り、世界トップクラス。

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またJR東日本は、鉄道事業に依存せず、収益を多角化する戦略を進めています。鉄道事業に加えて、Suicaや駅ナカビジネスや不動産事業など、鉄道に頼らないビジネスモデルを構築しています。特に金融・決済ビジネスに力を入れており、最近ではJREバンクという銀行にも手を出しています。そのJREバンク、運賃4割引きなどの破格の特典もあってか開始4カ月で申込件数は約39万件を超えるほどの反響でした。

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また、不動産事業で1,000億円以上の利益をあげ、その他の事業も含めると、利益の半分くらいは鉄道以外の事業からということになっています。

首都圏に持つ鉄道インフラで安定的に稼ぎながら、不動産や金融でも稼げるというのは他の鉄道会社にはないJR東日本だけの強みです。

さてJR東日本の株主優待は、運賃が40OFFになる株主優待券。100株を一年以上保有でいただけます。

京都フィナンシャルグループ

京都銀行を中核とした銀行持株会社。京都府内唯一の地方銀行として、製造業に強みを持ち、近畿一円や愛知、東京にも展開しています。京都府内の企業の30%以上が京都銀行をメインバンクとしているようです。また地銀トップクラスの規模を持ち、純利益は地銀7位、貸出金は地銀9位に位置します。

・純利益:2兆9691億円(同7位)
・貸出金:6兆7263億円(同9位)
・有価証券:3兆3351億円(同2位)
・預金:8兆8490億円(同8位)

京都銀行の特徴は、保有している有価証券の規模。2024年3月末時点で、約1兆1,100億円の政策株を保有。そのうち含み益は8,000億円。京都銀行自身の時価総額が6000億ほどなので、その2倍の額の株式を保有しているとは驚きですね。創業当時から出資している京都にゆかりのある大企業の株式を多く保有しています。

京都銀行が大株主となっている主な上場企業(2023年3月末)】
・任天堂:4.19%
・村田製作所:2.5%
・ローム:2.65%
・オムロン:3.58%
・京セラ:4.02%
・ニデック:4.31%

巷では、「京都ETF」なんて言われています。これは京都銀行が京都を代表する企業を保有しているので、まるでETFのように京都企業群に間接的に投資できるのが所以です。また、京都銀行が受け取っている配当収入は年間300億円。地域密着型の金融サービスを提供し、地元優良企業の株式を多く保有することで、安定した収益基盤を築いています。配当利回りも約2.75%と、投資家にとって魅力的な水準。

さて、京都銀行の株主優待は、500株以上保有で、京都銀行が運営するECサイト「ことよりモール」で買い物に利用できる4000円ぶんのポイントがもらえます。

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コメダホールデイングス

コメダホールデイングスは、木とレンガで構成された山小屋風の内装が印象的な「コメダ珈琲店」を中心に全国展開するカフェチェーン。落ち着いた雰囲気で、ゆったりと時間を過ごすことのできる場所を提供し、ご年配の方からお子さま連れ、お一人の方まで幅広い客層に支持されています。

コメダホールディングスの強み

  • 高い収益性:2023年2月期の営業利益率は21%と、飲食業界では高水準を維持しています。
  • フランチャイズ展開:全国に1,050店舗以上を展開し、そのうち99%がフランチャイズ店舗であるため、出店コストを抑えつつ事業拡大を実現しています。
  • 地域密着型戦略:郊外への出店を積極的に行い、競合他社との直接的な競争を回避しつつ、地域住民のニーズに応えています。

コメダホールディングスの売上収益は、前年同期比8.3%増の2,305.8億円を記録。この成長の背景には、店舗数の拡大や価格の値上げ、そして地域に根差したブランド力の強化が挙げられます。営業利益も前年同期比3.1%増の445.6億円となり、安定的な収益構造を維持しています。99%がフランチャイズなので、安定したフランチャイズ手数料を稼げるのが強みです。そのため、多くの外食企業が赤字になったコロナ禍でさえ、黒字をキープしました。ここにコメダの強さが垣間見えます。

コメダホールデイングスの株主優待は、やはり「コメダ珈琲」などで使える1000円分のプリペイドカード。プリペードカードの発送は一回のみで、半年ごとに1000円分が同じカードにチャージされます。

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オリエンタルランド

オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾートを運営する企業。 日本に唯一のディズニーテーマパークであることが強み。 またそのブランド力は絶大で、完璧にまで作り込まれた“世界観”と、他社にはない圧倒的なホスピタリティが満足度の高い唯一無二の体験を提供することで新規顧客の開拓、高いリピート率を維持しています。

オリエンタルランドの強み

  1. 圧倒的なブランド力と集客力
    • 東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの年間入園者数は3,000万人を超えており、日本国内のテーマパーク市場で圧倒的なシェアを誇ります。
  2. 高い収益性
    • 売上高当期純利益率は約17%と非常に高い水準を維持しています。
  3. 多角的な収益源
    • テーマパーク事業が売上高の約80%を占める一方、ホテル事業や商業施設運営事業、モノレール事業なども展開し、収益の多角化を図っています。ホテル事業は売上の14%でありながら営業利益は28%と高い割合を占めています。また、2028年にはクルーズ事業に参入予定で、数年で1,000億円規模の収益を目指しています。

また、オリエンタルランドは、約2,677億円もの多額の有価証券を保有しています。有価証券の保有目的は、ディズニーリゾートへの送客強化、スポンサー契約の維持、資金調達の安定化が中心で、売却目的ではなく長期保有が前提の銘柄が多い。保有目的も明確で無駄がないのが見て取れます。こんため年間10億円以上もの多額の受取配当金や利息があり、寝ていても収入があるような状態です。

オリエンタルランドの保有株式ランキング(貸借対照表計上額ベース)

ランク銘柄名株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)保有目的
1位東海旅客鉄道(JR東海)2,020,0007,526テーマパークへの送客強化
2位東日本旅客鉄道(JR東日本)707,8006,198テーマパークへの送客強化
3位ANAホールディングス(ANA)889,7002,855テーマパークへの送客強化
4位キッコーマン170,0001,673スポンサー契約・商品販促
5位山崎製パン421,0001,650スポンサー契約・商品販促
6位日本航空(JAL)929,0001,171テーマパークへの送客強化
7位千葉銀行352,3181,165財務活動の円滑化(取引関係)
8位三井住友トラスト・ホールディングス97,300950財務活動の円滑化(取引関係)
9位松竹97,300950スポンサー契約・エンタメ連携
10位みずほフィナンシャルグループ197,166600財務活動の円滑化(取引関係)

また、優良企業であるオリエンタルランドは、借入金の金利も低金利で抑えられ財務負担を軽減しています。令和6年末時点で借入金は約90億円、金利は約0.514%と超低金利。支払利息は概ね1億円台後半で推移しています。

つまり、0.5%の超低金利で90億円借金し、利払いは、年1億円。
    2770億円もの株式や債券を保有し、受け取る配当金や利息は年10億円

という超財務優良企業ということです。

オリエンタルランドは、ディズニーブランドの強力な集客力と高い収益性、強固な財務基盤を持つ企業であり、安心して持てる銘柄であると考えられます。

そんなオリエンタルランドの株主優待は、「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」どちらかのパークで利用可能な1デーパスポートがもらえます。500株以上で毎年、もしくは、100株を3年以上持つことでいただけます。

東京地下鉄

東京で高密度、高収益の鉄道事業を展開する東京メトロ。国内の代表的な私鉄と比べると、運輸収入・年間輸送人員が2位の(東武電鉄と東急電鉄の)約2倍以上。圧倒的1位を誇っています。また世界で見ても、1日あたり約755万人という輸送客の数は最大規模。

東京メトロの路線は、東京の一日あたり利用者上位10駅のうち9駅をカバーしており、首都圏の通勤・通学の主要手段として機能しています。東京メトロの駅間を移動する場合なら、乗り換えが2回以内でほとんど済み、スムーズに移動できるため、「東京で暮らすなら、東京メトロ沿線がいい!」という方はとても多く、東京メトロ沿線で物件を探す人は多くいます。

営業収益:2024年3月期の営業収益は約4,075億円。

営業利益率:営業利益率は19.6%と高水準で、鉄道業界内でも上位に位置しています。

営業収益の約88%を鉄道事業から得ているため、収益構造が地下鉄に依存していますが、不動産事業や流通・広告事業といった非鉄道事業へも乗り出し、事業の多角化を進めています。

配当利回りも約3.3%と高配当で、その高い収益性をもとに今後も安定して配当をもたらしてくれる銘柄です。また、株主優待も魅力的で、200株以上で年2回(3月末と9月末)、東京メトロ全線で利用可能な全線きっぷを3枚いただけます。また、ECサイト「メトロの缶詰」300円引きクーポン券「地下鉄博物館」無料招待券:5枚、「そば処めとろ庵」かき揚げトッピング無料券ゴルフ練習場「メトログリーン東陽町」入場料無料券などの優待もあります。近くに東京メトロの駅がない、という方でも全線きっぷなどは金券ショップで良い値段で売ることもできるはずです。

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